いささか季節はずれになったので、掛け軸をかけ替えた。
昨年の暮れ、どうしても欲しくて買った小林五浪画伯の「初春」だ。
舞妓さんの横顔に若い頃の自分を重ねて心惹かれた。
まっすぐに頭(こうべ)を上げて生きている眼差しを君は愛しと
成人式の日、私は全学連の代議員として、東京の某大学の講堂に居た。
晴れ着は、大好きな緑のブレザーだった。
「二十歳の人は、壇上に上がってください」と言われ拍手で祝ってもらった。
人前で話すのが苦手だった私が、初めて何百人もの前で発言した忘れられない日だ。
自分の思想や行動に迷いは無かった。ただ、まっすぐに、前を向いて立っていた。
あの頃の自分と同じ瞳をした少女の絵は、「どのように生きるか」という原点を思い出させてくれる。
平成26年4月21日 古賀 八重子