5月の絵本は、新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」を選んだ。
皇后さまが「何度となく、思いがけない時に、記憶によみがえってきた」
(第26回国際児童図書評議会基調講演より)という絵本である。
「わたしは なんと いうふしあわせな ものでしょう。
わたしの せなかの からの なかには かなしみが いっぱい つまって いるのです」となげいていた、でんでんむしが、
「かなしみは だれでも もって いるのだ。
わたしばかりでは ないのだ。
わたしは わたしの かなしみを こらえて いかなきゃ ならない」と気づいて生きていくお話です。
このお話を思い出す時の、皇后さまのかなしみを、想像することはできない。
でも、どんあ人にも、背負って生きていかなければいけない「かなしみ」がある。
くじけそうになった時、そのことを、記憶によみがえらせて、生きていきたい。
平成25年5月24日 古賀 八重子