2012年9月13日木曜日

看護支援相談室便り No.67

今、どうしたら看護師の仕事ができるようになるか、悩んでいるケースがある。

以前、指導した学生の中で、2人ほど「教育の力では変えられないかも」と思ったことがある。
二人とも、学科試験は合格できるが、実習にいくと、適切な行動ができなかった。
食事介助を見に行くと、ブラインドを下げた暗い中で、必死に食べさせている。
少し明るくしましょうと声をかければ、「はい、わかりました」と素直に従う。
シャンプーをしている時、泡が隣のベットの人に飛び散っていても気が付かないで、洗っている。最初は、緊張して、回りが見えないのだと思い、経験をつめば、できるようになると思っていた。
でも、状況を察したり、自分で考える力が弱いのだと解ってきた。
脳外科の医師から、「前頭葉の機能が正常値の半分しかない、指示待ち人間だから、司令塔がいなければ、大事な判断ができない。とても看護師としては無理だ」と言われた。

真面目で、言われたことは必死にやろうとする。二人とも、1年留年したが、一日も休まなかった。しかし、根本的な問題は解決しなかった。
「後は卒後教育の中で、育ててもらおう」と卒業させたが、就職先の看護部長から「どうやって育てたらいいか、わからない」と何回も電話がかかってきた。
結局、どこの病棟でも働けず、退職した。いまだに心に懸かっている卒業生だ。

メンタル面の弱い学生は、関わりの中で育てていけるが、教育の力だけでは困難だと思い知らされた事例だった。

毎日、一泊旅行に行くようなカバンにたくさんの本を入れて、病院にきているKさん、1週間、支援室で、図書の打ち込みをしてもらったが、真面目な仕事ぶりだった。
病棟では、吸引の操作はできるが、吸引されている患者さんへ思いが向かない、部分しかみることができないと言われている。指導する看護師さんの困惑もよくわかる。
何とか看護師として、働けるようになってほしいと思っているが、アドバイスできる方法がみつからない。
ただ生き方をふくめ看護師を選んだKさんに、働ける場所が見つかることを願っている。

平成24年9月13日  古賀 八重子