最初に母から教えてもらった家事は、洗濯物の干し方・たたみ方だった。
干し方を見れば家の中が分かるから、見苦しくないようにと注意された。
隣村にとてもきれいに干してある家があるから見てみなさい、と言われたこともあった。
その母は、洗濯物をたためなくなった。
特に、襟や袖のあるブラウスなどをたためない。
必死になって、どんどん前のめりになっていく。
ブラウスを何回やってもたためない母は小さく丸まる。
小さくなった母を見るだけでも辛いのに、施設の方から「洗濯物もたためなくなったので、箒をもたせています。掃除はできなくてもいいので」と言われた。
でも、次に行った時の人は「いつも洗濯物をたたんでくれるんですよ。助かります」と言ってくれた。
どんな状況でも、その人らしく生きていけるように、生活を整えることが看護だと思ってきた。
私は今、母が洗濯物をたためる日が一日も長く続くように願っている。
平成24年5月8日 古賀 八重子