2012年5月31日木曜日

看護支援相談室便り No.53

帰りの電車は、いつものように満員だった。
何とか乗ったが、男子高校生のカバンが胸に当たって痛い。
一駅か二駅で空くだろうと思って我慢していた。
高校生たちは、無言で携帯電話を操作していた。
そのうち、一人が気が付いて、「オイ」と声をかけ目配せしてくれた。
隣の高校生はすぐバックの位置を変えてくれた。
「ありがとう」というと、4人ともこちらを見て、あたたかな目をして笑った。
バラバラに見えて、ちゃんとつながっている。
気持ちのいい若い人を見た。

 先日は、同年輩の女性のステキな交渉術をみせてもらった。
入り口付近に女子高校生が4~5人固まっていて、身動きができない状況だった。
ただ、電車の中ほどには空間があって、詰めればまだ乗れる余地があった。
その人は「あなた達は何処までいくの?」と声をかけ、「藤枝」と聞くと「私は、焼津で降りるの、あなた達が中まで詰めてくれると助かるんだけど。お願いできる?」と笑いながら頼んでくれた。
私は、なかなか「もう少し詰めてくれませんか」と言うことができない。
相手の不快な反応や、困ったという心の動きを考えると、ひるんでしまう。
いとも簡単に、高校生を動かしてしまった女性に、見とれてしまった。

平成24年5月28日  古賀 八重子

2012年5月23日水曜日

看護支援相談室だより No.52

私は思い込みの激しいところがある。
勝手に期待して裏切られたと思って落ち込む。
今回のこともそうかもしれない。
でも、すべての師長さんと心が通じ合った気がした会議だった。
今年から、研修制度を変更するということで、3月中旬から、分担作業を行ってきた。
全体像が見えず、個々の研修を手探りで組み立ててきた。
やはり、基本の考え方を核にしないと、研修の企画はできないとわかり、勉強会からスタートすることになった。
その中で、新人や中途採用者をどのように教育していくか、主任や副主任をどう成長させるか、日々の悩みや思いを共有できた。
学校のように、「どういう学生を育てたいか」概念枠組みをきちんとして、カリキュラムを構成するようには、時間をとれない。
しかし、こんな看護師になってほしいという期待を具現化したい。
静岡徳洲会病院に来て良かった、5年先が楽しみと言ってもらえるような研修制度を作りたい。

師長さんたちと一緒に頑張りたいと思う。

平成24年5月23日   古賀 八重子

2012年5月14日月曜日

看護支援相談室便り No.51

クレーマーの気持ち

5日、駅構内のお店で買ってきたいちじくジャムが、日切れだった。
連休中で、お店が混雑していたので、4月30日という賞味期限に気が付かなかった。
数日前から、いちじくジャムがあると気が付いていたので、美味しいフランスパンを買って来て食べようと思っていた。静岡まで出かけ、パンを買ってきたので、あきらめきれない気持ちだった。

生産者に聞けば、5日位は大丈夫と言うかもしれないと思ったことと、まだ2個残っていたので、遠くから来た人が買って行ったらかわいそうと思って電話をかけてみた。私の未練がましい気持ちは伝わらず「食べないで下さい。次にお見えになった時、返金します。すいませんでした」と言われた。
翌々日、勤務先まで持っていくのも重たかったので、自転車置き場に置き、夕方とりにいってからお店に行った。途中で野菜のワゴン車を片付けているのに出会った。
閉店は8時だったので、7時15分に片付けているのに驚いた。
こんな事が無ければ、野菜も買えたのにと少し感情的になってしまった。
レジの人は、私がジャムの瓶を出して「賞味期限切れだったんですけど」と言った時、すぐに反応しなかった。金額を聞く前に、まず「すみませんでした」と言ってほしかった。

このお店には、私の大好きな店員さんが何人かいる。
出張で早く帰れると良かったですねと喜んでくれる人。
パンを忘れた時、自宅まで連絡をくれた人。日本酒が分からない私の相談にのってくれる人。探している商品を一緒に見つけてくれる人。
私は、「プロだなあ」という仕事をしている人達を尊敬している。
地元の職人さんの商品も魅力だ。だからこそ、商品管理をしっかりしてほしい。

地元のお店として、大切に思っているからこそ、苦情を言ったのだ。
期限切れを見つけた時は、それほど腹がたってはいなかった。
ただ、困ったとおもっただけである。でも、その後の対応で傷ついた。

弁償してほしいのではなく、気持ちを受け止めてほしかっただけである。

平成24年5月14日  古賀 八重子

2012年5月8日火曜日

看護支援相談室便り No.50

最初に母から教えてもらった家事は、洗濯物の干し方・たたみ方だった。
干し方を見れば家の中が分かるから、見苦しくないようにと注意された。
隣村にとてもきれいに干してある家があるから見てみなさい、と言われたこともあった。
その母は、洗濯物をたためなくなった。
特に、襟や袖のあるブラウスなどをたためない。
必死になって、どんどん前のめりになっていく。

ブラウスを何回やってもたためない母は小さく丸まる。

小さくなった母を見るだけでも辛いのに、施設の方から「洗濯物もたためなくなったので、箒をもたせています。掃除はできなくてもいいので」と言われた。
でも、次に行った時の人は「いつも洗濯物をたたんでくれるんですよ。助かります」と言ってくれた。

どんな状況でも、その人らしく生きていけるように、生活を整えることが看護だと思ってきた。
私は今、母が洗濯物をたためる日が一日も長く続くように願っている。

平成24年5月8日  古賀 八重子

2012年5月1日火曜日

看護支援相談室便り No.49

フィジカルアセスメントの研修を行った。
今年は、念願のトレーニングモデル「フィジコ」を購入してもらい、実践的な研修ができた。
講師は、新人はまず急変に気づくことが大切だと、呼吸・循環・意識に焦点を置いた演習をしてくださった。
相互に練習する場合と違って、呼吸音や腸音の異常が体験でき、いい学びに繋がった。午後には、心電図もとれるようになり、初期事例への取り組みもできるようになった。

演習中の先生の発問や肯定的な評価に、プロの教員の指導力を見せられた。

先生は、「人形にあてているのに、いつも聴診器をあたためて使っている」とMさんをほめてくれた。
技術を上手に教える人はたくさんいるが、「人を相手にしている技術」として教えることはむつかしい。
3年間で、自然にそれができるようになるように教育した人たちと、できるようになった新人に感心した。
「いい教育しているなあ」と、嬉しくなった。

去年も、そう思うことがあった。
今年もそういう新人が入職してくれた。

平成24年5月1日  古賀 八重子