今、できることを大切に
経験2年目の若い教員が支援室を訪ねてきた。学生の指導についての報告と言うか確認。
詳細は個人情報なので省略するが、いつも冷静で認知症の患者さんに「出て行け」と言われてもしっかり対応できる社会人の学生、いい気づきをしているのに、カンファレンスでは、若い同級生の前で自分を出さないのが気になっていた。一人で、ボーっとソファーに座っていたので「どうかした?辛いことはないの?」と声をかけたら涙を流したので驚いたという。
「初めて受け持ち患者から拒否された、最初は人間関係も良かったが、患者がうつ状態になり、看護師や看護教員への不満をぶつけてくるようになった。自分としてはどうしてあげることもできずに聞いているだけだった。そのうち、学生の受け持ちも止めて欲しいといわれた」と。教員は、どんな学生にも援助が必要だと気が付いたが、話しを聞いてあげることしかできなかった。最後に「患者さんが辛いことや不満を看護師さんや教員でなく、あなたにぶつけてきたことはすごいことだよ。自分の弱さをあなたには見せていいと思ってくれたんだから、それも看護だと思う。あなたも、無理に元気を出さなくてもいいから、何時ものように、( 今、できることを大切に )患者さんと向き合っていけばいいと思う」と伝えたら
「聞いてくれてありがとうございます、声をかけてくれて嬉しかった」と言ってくれたそうだ。
彼女は、悩んでいる学生の異常を感じとり声をかけた、
学生の辛さを受け止め、辛さの体験にも意味があることを伝えることができた。
なによりも、「今、できることを大切に」、学生と向き合い話ができた。
1年間、自分が教員に向いているのか、悩んでいた彼女の報告は嬉しかった。
一雫こぼして延びる木の芽かな 諸九尼
5月16日 古賀 八重子