2011年5月14日土曜日

看護支援相談室便り No.10

美しいものをみること

病院の9階から見る駿河湾は、本当に美しい。就職を決めた理由の一つだ。
今、東日本大震災の津波の映像が鮮烈で、複雑な思いはある。
でも海や山の自然も人間も、恐ろしい時もあるが、美しさに変わりはないと思う。
脳外科の金子先生はいつも「美しいものを美しいと思う心と、患者の痛みを感じる心は同じだ」と美しい絵を見ることや音楽を聞くことの大切さを伝えてくれた。先生の講義のスライドの合間に映される花の写真は、学生を癒してくれた。

新人は少し疲れている様子です。肩の力をぬいて、美しいものを見て欲しい。「生きているからこその悩み」「こうなりたい、という理想があるからこその悩み」「真剣に考えるからの悩み」だと気づいてほしい。いつか、悩んだ自分が愛しいと思う時がきます。
形や内容は違うけど、皆一つひとつ乗り越えながら年を重ねています。

夫が亡くなってしばらくは仲の良い夫婦を見ると辛かった。
ある時、何気なく見ていたテレビの中で、「夫婦が色々あっても別れないのは、人生の最後の夕日を一緒に見るためだ」と言うセリフがあり、自分には最後の日、一緒に夕日を見る人がいない現実を突きつけられた(と思った)

ひとりでも生きねばならぬ生きられる
言い聞かせつつ花に水やる

こんな歌ばかり作っていた。耐えられなくなって友達に話したら
「私と見ればいいでしょ」とあっさり言われ、まだ自分に在るものに気づかされた。
夫を亡くした悲しみは今もある。
しかし、人の心は、こんな風に救われるものだ。

5月13日  古賀 八重子